分散したインシデント情報を一元で管理。運用の属人化を防ぎ、柔軟な障害対応を実現~大手銀行系システムでの導入事例~

2025/08/03
光次郎水野

・業種:大手SIer
・対象システム:大手金融系システム
・担当領域:サービスデスク・統制の運用拠点集約に伴う、運用改善

XonOps導入前の課題

  • 所掌するシステムが複数あり、管理ツールも分かれていたため、インシデントの情報集約ができていなかった
  • 情報が分散していたことで、情報共有の効率が悪く、運用が属人化していた
  • システムごとに管理方法が異なり、ステータスの把握が難しく、チーム全体で一環した対応ができない

XonOpsの導入効果

  • 複数システムに跨るインシデント情報の一元管理が可能になり、情報共有の効率が大幅に向上
  • 属人化していた運用からチーム全体で把握できる体制へと変化
  • スマホからのアクセスや複数人での編集機能により、外出先や夜間でも対応が可能になり、柔軟な働き方が可能に

1. 【課題】

1-1. XonOps導入前、貴社で抱えていた主な課題は何ですか?

私たちのプロジェクトでは、所掌するシステムが複数あり、それぞれで情報管理をしていたため、情報の集約ができていない状況に直面していました。
当時全6システムを抱えており、使用するツールもアクセス管理ツール、社内製ツール、エクセルの3種類に分かれていました。
社内製ツールは、以前使用していた後継ツールとして、無理に導入していた状況でした。

各システムが異なるツールを使用し、担当外のシステムに関しては情報を閲覧できないという弊害もあり、システム間でのトラブル共有が難しかったのです。
当時は運用集約と併せて勘定系の更改もあったことから、このタイミングで利用するツールの統一と、できればデータベースも共有化・一元化することのできるツールを探していました。

ノーコード系のツールも検討しましたが、予算との兼ね合いや、インシデントに特化した運用が求められることから、導入の決定には至っていませんでした。
選定の条件としては、費用やメンテナンス、導入サポートの有無、無駄な機能がなく、必要な要望が通ること、使用したい項目が利用可能であることが挙げられました。

当初、これらの条件をほぼ満たしていたツールもありましたが、コストや専属スタッフがいないと環境構築やメンテナンスが難しいことなどがあり検討を断念。
一方で、XonOpsは必要な条件のいくつかを満たしていて、カスタマイズを依頼できた点が魅力的でした。
結果、XonOpsを導入し、インシデントに特化した統一的な管理体制の構築に乗り出すことができました。自動化も視野に入れつつ、より効率的な運用が可能となったのです。

1-2. その課題は業務やチームにどんな影響を与えていましたか?

情報が分散していたことで、共有の効率が悪く、運用が属人化していました。
システムごとに管理方法が違うため、ステータスの把握も難しく、チーム全体での一貫した対応ができていなかったのが実情です。

2. 【検討・比較】

2-1. XonOpsを導入する前に、他のツールや方法も検討しましたか?

はい、ITSM領域全般をカバーできるようなツールなど、複数のツールをトライアルで試しました。カスタマイズ性が高いものもありましたが、サポートが不足していた印象です。
最終的には、金額面と運用負荷のバランスを考えて、XonOpsのトライアルを進めることになりました。

2-2. XonOpsを選んだ決め手は何でしたか?

機能面だけでなくユーザー運用の考え方まで支援していただけたのが安心材料で、トライアル中のサポート対応も非常に迅速でした。
XonOpsはその目的に合致していました。当時、インシデント管理の集約を目指していたことが大きな背景です。

2-3. どんな点で他の製品よりもXonOpsが優れていると感じましたか?

インシデント管理に特化した設計と、情報共有のしやすさや1つの案件を複数人で編集できたりなど、現場の使いやすさを重視したUIがとても良かったです。
スマホからの閲覧が可能になったことや、利用ユーザの権限設定の柔軟性も、実運用に即していて助かりました。

3. 【導入プロセス】

3-1. 実際にXonOpsを導入する際、どのようなステップで進みましたか?

導入時期が決まっていたので、準備はスムーズでした。XonOpsの基本的な初期設定は情報さえ準備すればXonOps側で対応してもらえたので、1日以内で完了しました。
インシデントナレッジの登録は全システムで約30件。よくあるインシデントは体感で把握できたので、選定にはそれほど時間がかかりませんでした。

3-2. 導入初期に苦労したこと、問題があった場合、それをどのように解決しましたか?

一番工数がかかったのは、チーム内への周知と手順書の整備です。利用者向けのマニュアル作成に約1週間かかりましたが
初期設定が1日以内で完了し、ナレッジ登録も30件程度に抑えられたことで、導入負荷は非常に低かったです。
Xonサーチの画面や操作に慣れるまで少し時間がかかりましたが、全体的にはスムーズに進行できたと思います。

3-3. XonOpsの導入後、社内でどのような反応がありましたか?

インシデントの共有が可能になったことに対して、社内では好意的な反応がありました。
複数またがるシステムでも、一画面上でシステム横断で一元管理が出来て、ステータスが見れることや、画面上で対応履歴をリアルタイムで記載できる設計が評価されています。

4. 【効果・成果】

4-1. XonOpsを導入した後、どのような改善や成果がありましたか?

インシデント管理の統一という当初の目的は達成できました。
複数システムにまたがるインシデント情報の一元管理が可能になり、情報共有の効率が大幅に向上しました。
スマホからの閲覧が可能になったことや、案件を複数人で編集する機能など、現場での使い勝手も良くなりました。

4-2. システム導入による業務効率の向上はありましたか?

現場の負担を増やすことなく、業務効率が向上しました。
具体的には入力作業と情報確認が容易になり、実際の業務が簡素化されました。
また、完了・未完了の状態が画面上で明確に表示されるようになり、残作業の可視化と識別が容易になりました。

特に対応履歴を記録する際には、以前までは1枠を書き足すなどしておりましたが、新しいシステムによって、
対応毎に登録できるようになり、どこまで実施できるかを画面上で把握できるようになりました。
これにより、業務スピードが向上しました。

また、導入時には手厚いサポートを受け、高度なインシデント管理の実現に一部成功しました。高度化を目指し改善を共に進めることができました。
インシデント管理のレベルアップに対応していただき、私たちのニーズを理解してもらえました。
ツールだけでなく、既存機能や導入後のサポートも充実しており、疑問点を解消できたと感じています。


4-3. 社内での作業効率やチームの動きにどのような変化がありましたか?

情報共有のスピードと正確性が向上し、属人化していた運用がチーム全体で把握できる体制へと変化しました。
スマホからのアクセスや複数人での編集機能により、外出先や夜間でも対応が可能になり、柔軟な働き方ができるようになりました。
インシデントナレッジの登録数は、現在は日々増加していて、約百数十程はあり、作業活用に浸透している。

4-4. XonOpsを使ってどのような点が特に便利だと感じていますか?

スマホからの閲覧、複数人での編集などが便利です。インシデントの共有が容易になり、ステータスの可視化も実現できました。
一方で、起票後の編集制限(検知日時の修正や削除)、ユーザ登録の手間、検索機能の改善など、いくつかの改善要望もあります。Xonサーチの今後の展開についても期待しています。

5. 【今後・他の企業へのおすすめ】

5-1. 今後、XonOpsをどのように活用していきたいと思っていますか?

インシデント管理のさらなる効率化と運用の柔軟性向上を目指しています。
ユーザ登録の簡略化や登録情報の一覧表示、ナレッジ登録対象の拡張、検索機能の強化、画像データの読込、手動入力箇所の自動化などのさらなる機能拡充を期待しています。

5-2. 他の企業にXonOpsを導入することをおすすめしますか?その理由は?

おすすめします。インシデント管理の統一や情報共有に課題を抱えている企業には非常に有効です。
導入時のサポートが手厚く、現場の運用に寄り添った設計がされているので、初期構築の思想が『現場の初動を早くする』ことに根ざしている点も魅力です。
レスポンスの速さや、柔軟なサポート対応など、導入検討時のフォローも高く評価しています。

~インタビュアー後記~

今回お話を伺う中で、私たちが提供するXonOpsが、インシデント管理の分散や情報共有の非効率性といった課題に、確かな効果を発揮していることを改めて実感しました。
特に、インシデントDBの統一やスマホ対応、複数人での同時編集といった機能が、日々の運用をよりスムーズかつ柔軟にしている点は、開発に携わる者として非常に嬉しく思います。
一方で、ユーザ登録や検索機能については、まだまだ改善の余地があるというご意見もいただきました。現場のリアルな声として真摯に受け止め、今後のアップデートにしっかり反映していきたいと考えています。
この事例は、複数システムにまたがる運用や、情報共有に課題を抱える他の企業さまにとっても、大きなヒントになるのではないでしょうか。私たちとしても、今後の製品進化に向けた大きな励みとなるインタビューでした。